どういう基準選べばいいのか
神経質になり過ぎないこと
1つ言葉を添えるとすると、温泉地選びについてはそこまで極端に神経を尖らせて選ばなければならない、などと意気込む必要は全くないということだ。そもそも公共の入浴施設という点を加味すると、複数の人間が使用しているため、何かしらの菌が入浴施設にあるというのは変わりない。こういってしまうと温泉に入りたくない気持ちを逆なでするように駆り立ててしまっているかのように見えるが、事実なのでしょうがない。そもそも温泉そのものが時に人体に強力すぎる影響を与えてしまい、それは元で禁忌症といった温泉特有の症状が発症してしまうこともあるくらいだ。
温泉偽装とはまた別の問題になってしまうが、根底にある温泉というものにおける固有の問題といえる。ただ先に紹介したような温泉偽装を見分けるといった点については、極端に問題視する必要はない、というよりそもそも気にしていたらきりがないという部分もある。元より天然物と呼ばれるものは無限という保障もなく、むしろ有限的なものであるとみなしていたほうが良い。白骨温泉の例にしても、以前までの温泉の白濁とした湯の色が出なくなってしまったため、ブランドを守るために抵触しない程度に入浴剤を使用していた。
ではどういう基準で温泉というものを選べばいいのかについては、専門家いわく『もうこの際好みで選んでしまって問題ない』と、何とも投げやりだがこれしか無い答えを提示してきた。
かけ流しと循環
温泉にはそれぞれかけ流しと循環という二つの提供の仕方が存在している。どちらが理想的かと言われたらかけ流しとなっているが、循環温泉には循環ならではの良さがある。それはどういったところなのかを紹介していこう。
かけ流し温泉のメリット
- そのまま利用しているため、本当の意味で温泉そのもの
- 効能についても源泉から使用しているため、効果に期待できる
- キチンと定期的に清掃をしていれば、衛生面で心配を内包することはない
循環温泉のメリット
- 高めの湯温となっている源泉を適温にして提供できる
- 24時間、常に入浴することが可能となっている
- 施設を広々拡充できる
お互いの温泉の欠点として
上記のようなメリットがそれぞれ存在している。こうして見比べてみるとどのような目的で温泉を利用しようとしているかで選ぶと良いだろう。かけ流しにしても効能を満喫したいと考えているのであれば当時や療養目的で、また観光としてリフレッシュも兼ねていつでも温泉に入浴できるところは循環温泉ならではの良さだ。天然という物に対して並々ならぬこだわりを持っているのであればかけ流しにするべきだろう。
ただかけ流しと循環双方にも、メリットがあれば同時にデメリットも存在していることをきちんと把握しておきたい。
かけ流し温泉のデメリット
- 天然を重視しているため、湯温が安定しない
- 毎日交換・清掃をしなければならないため、いつでも気軽に入浴できない
- 天然ものであるがゆえ、旅館としての機能拡充はあまり期待できない
循環温泉のデメリット
- 温泉の効能が最悪、失われている
- 塩素消毒をやり過ぎるがゆえ、塩素の匂いがお風呂に残ってしまう
どちらがいいかではなく、どこまでなら許容できるか
かけ流しと循環、双方の温泉におけるあり方と経営していく上で温泉がどのように利用されていくべきなのかについてはいいとして、こうしたメリット・デメリットを考慮することは重要だ。特にデメリット、メリットについてはともかくとして、循環の場合だと温泉の醍醐味となっている効能を実感できなくなってしまう。それはそれで残念だが、比較的安心して入浴するというのは嬉しいところ。それに対してかけ流しについては色々とやらなければならないことが出てきしまい、天然ものだからこその管理が非常に難しいというのは 経営者にとって痛いところだ。
そのため人件費などの問題も絡んでくると最悪、運営次第で割にあわないという実感も出てきてしまう。だからこその温泉偽装といった問題が噴出したのかもしれない。温泉だからといって必ず人気が沸騰することもないため、何かしらのテコ入れをしなければならないという状況に迫られているところが多いのかもしれない。